2018-12-01 近詠 短歌 今年になってから詠んだ歌どもです。 大雪の宵をすぐして 雪どけの音ぞしたしき 春きたりけり 生きにくい今日はくれたり いとしさのつのる頃には 夜もふけぬらむ 祖父が永眠した。91歳。大往生であった。 母上の父にてありしひとさまは 神さびにけり 秋つくれかた あけくらしお骨となりし いのちかな 面影ばかりあとかたにして 人生はかたづけられてしまったり あとにのこりし人たちのため 祖父のなき世のはじまりぬ なにくはぬ顔をしたまま けふを生きゆく